学校法人聖路加国際大学

聖路加国際病院

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■ 施設名称 聖路加国際病院 ■ 所在地 東京都中央区
■ 病床数 520床 ■ 外来患者数(日) 700人
■ 平均在院日数 8.7日
■ 診療科目 一般内科 ・ 呼吸器科 ・ 腎臓内科 ・ 血液内科 ・ 感染症科 ・ 内分泌代謝科 ・ 神経内科 ・心療内科 ・ アレルギー ・ 膠原病科 ・ 心血管センター(循環器内科/心臓血管外科)・小児総合医療センター(小児科/ 小児外科/WellBabyClinic) ・ 消化器センター(消化器 ・ 一般外科 ・ 消化器内科) ・ ブレストセンター ・ 胸部外科 ・ 形成外科 ・ 整形外科 ・ 皮膚科 ・ 女性総合診療部 ・ 遺伝診療部 ・ 泌尿器科 ・ 眼科 ・ 耳鼻咽喉科 ・歯科/口腔外科 ・ 脳神経外科 ・ 精神科 ・ 救命救急医療センター ・ 放射線科 ・放射線腫瘍科 ・ 緩和ケア科 ・病理診断科 ・ 麻酔科 ・ 腎センター(腎臓病クリニック) ・リハビリテーション ・ 人間ドック科

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聖路加国際病院 副院長 / 小松康宏先生

聖路加国際病院 副院長 / 小松康宏 氏

慢性腎臓病の名医としても有名で、聖路加国際病院副院長の小松康宏先生に、チーム医療や組織文化についてお話を伺いました。

編集長

聖路加国際病院は診療科間の垣根が低いと言われていますが、
その理由とは何だと思われますか。

理由として考えられるのは2つあります。
まず1つは歴史的背景があります。
創設者のドクター・トイスラーが病院の理念として言った言葉に表れています。

『キリスト教の愛の心が 人の悩みを救うために働けば 苦しみは消えて 
その人は生まれ変わったようになる この偉大な愛の力を だれもがすぐわかるように 
計画されてできた生きた有機体がこの病院である』

この病院には病に悩んだ人が来られます、しかし病気の全てを治せる訳ではありませんし完治できない病気もあります。でもここに来れば治せる病気は治してもらい、例え治せなくてもふさいだ気持ちが変化して希望に繋げることを目的とし、そのために全職員が関わっていく病院が生きた有機体として動く意味だと私なりに解釈しています。110年以上前に病院が作られた時から、組織間の垣根を取り除き、全てが協力して医療に取り組むという歴史があります。


聖路加国際病院 副院長 / 小松康宏先生

もう1つはドクター・トイスラーの影響で病院内にもアメリカで研修を受けた医師たちが多くおり、その医師たちで作った病院なので、アメリカ式の病院制度を真似て作られているということにあります。私が研修した30年前には既にコンサルテーションというシステムが存在していました。研修医であっても受け持ち患者さんの診断・治療の必要性を感じれば、他の科にコンサルテーションの依頼ができました。 この2つが聖路加国際病院の特徴だと思います。現代は高齢化が進み、慢性期医療が中心になり1つの科では対応しきれなくなっているのが現状です。
そういう流れの中でよりチーム医療が必要とされ、それを実践できる土台があるので当院はチーム医療が上手く機能しているのかなと思っています。

編集長

30年前から実施されてきたコンサルテーションシステムは
どのように発展しているのでしょうか。

理由として考えられるのは2つあります。
今は電子カルテが普及しましたので、各科への依頼を電子カルテに入力して、依頼を受けた科の医師は迅速に返信なり、電話でのアドバイスなどをするようにしています。返信率も定期的にデータを取っており、滞っていたりすると注意を受けますので、全員で協力して迅速な対応をするように心がけています。病棟も内科系は混合病棟で専門別に明確に分かれていませんので、一緒にいろいろな科を受け持って診ることになります。ですので日頃から気軽に声を掛けあって相談しやすい環境ができています。医師だけでなく看護師やコメディカルが医師に意見をしたり、研修医が部長医師に相談したりするということが当たり前な組織文化ができているので、意識しなくてもみんなに浸透していきますし、その方が働きやすいと言ってくれています。


聖路加国際病院 副院長 / 小松康宏先生
聖路加国際病院 副院長 / 小松康宏先生
聖路加国際病院 副院長 / 小松康宏先生
編集長

聖路加国際病院は人が集まる病院だともよく言われますが、その理由は何だと思われますか。

まずは仕事に満足感・充実感を持っている人が多いこと。そういう人たちが病院の雰囲気をよくしているし、メッセージも発信しているからでしょうね。次にキリスト教系の病院だということで、クリスチャンでなくとも安心感や誠実性を感じてくれること。また、戦後はアメリカから名医を招待するなど、医療レベルが高かったので、それを学びたいという人が集まってきました。そして昔から医師・看護師の研修制度がありましたから、それを目的に若いスタッフも集まってきたのだと思います。

編集長

小松先生の専門は腎臓内科で、特に腎臓内科ではチーム医療が重要だと言われていますが、どうしてですか。

慢性腎臓病の医療で大切なのは、いわゆる〝神の手“ではありません。 標準的な治療はすべて過不足なく提供できるようにすること。それにはチーム医療が必要です。治療をして薬を出せば治ると言うものではありませんので、患者さんの生活習慣・食事療法の指導など長く付き合っていかなくてはいけません。その時に看護師や栄養士から生活指導をすると、医師が同じだけ時間をかけて丁寧に説明するより伝わるんですよ。そうやって専門スタッフがチームを組んで、相談にのったり励ましたりすることが大切なのです。

編集長

今後ますます需要が増える慢性期医療に関わる内科医として大事な考え方などはありますか

これからは治療目的をどう定めるかということが非常に難しくなってくると思います。高齢者の方は腎臓病、循環器、糖尿病、整形外科、眼科などと複数の科に掛かっていますので、その中でどのように調整していくのか。専門医の立場からするとその疾患に有用な治療法と投薬をする訳ですが、そうなると患者さんはそれぞれの科で何十種類もの薬をもらって服用することになります。ポリファーマシーが問題で、そのことで逆に体を悪くしてしまうということが起きてしまいます。今までの専門診療科だけの診療体制では問題が発生してくるのではないかと感じています。プライマリケアやジェネラリストと言われる、全人的に診ることができる能力や経験のある医師が増えないといけないと思います。治療方針の決定についても、昔は医師が決定するパターナリズムでしたが、その後インフォームドコンセントがうまれ、最近ではシェアード・ディシジョン・メイキングが必要だと言われ始めています。要するに医師は選択肢を患者さんに提示し、両者がディスカッションして治療方針を決めていくと言う考え方がどんどん広まり始めています。特に慢性疾患などでは治療方針が患者さんの価値観によって大きく変わりますので、そうせざるを得ない時代になってきているということでしょう。


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